2009年11月28日土曜日

屋島と八栗を結ぶ秋の道


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平成21年11月28日。この曇りの朝、7カ国から集まった17名の遍路がことでん屋島駅から屋島の赤く紅葉しているふもとに向かっていった。頂上にある屋島寺に着き、本堂と大師堂で参拝をしてから、周りの自然をゆっくり満喫しながら、かわらけ投げに挑戦してみた。

北風の 谷に向かいて かわら投げ

獅子の霊巌で、涼しい風を肌で感じ、穏やかな瀬戸内海を見ながら、俳句などを静かに読んだ。

紅葉や 屋島の上で  句詠みけり

屋島から下りる前に、赤い葉が一斉にそよ風に揺れている一本木のもみじを発見した。芯の上に踊っている炎のようであった。


一本の 燃ゆる紅葉や  屋島道 

屋島の頂上から、五剣山の中腹まで歩き、八栗寺の本堂に到着した。お寺の副住職に暖かい話と温かい甘酒のお接待をいただいた。
甘酒の もてなし受ける 秋遍路


八栗寺から下りているところ、見上げると五剣山のきれいな山肌がはっきり見えた。

山粧ふ 空に聳ゆる 五剣山

(2009年11月28日)

2009年5月17日日曜日

山を越えた夏遍路


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長尾寺に集合したあと、皆でお遍路さんの白衣を身に付け、金剛杖をしっかり持った。大楠の下に立ち、お坊さんに長尾寺の歴史、例えば昔、長尾寺を庇護した高松藩主松平家の家紋が本堂に残っていることなどを教えていただいた。

長尾寺の 本堂飾る 葵紋

のんびりと前山ダムまで歩き、休憩をした。遍路サロンに入り、周りの青々とした木々を眺めながら、お弁当を食べた。また歩き始めると空の雲が厚くなり、雨が降るかと心配したが、大胆にも山道を登り出した。登るに従って、自然がより豊かになり、鳥や猿などの野生動物を見かけたり、山畑では風に揺れる麦の穂が囁いているように聞こえた。

くるくると 風に乗る鳶 麦の秋

心配していた雨はあまり降らなかったが、女体山の頂上までの道はとても大変だった。しかし、山頂に立ち美しい風景を見下ろすと、とても感動的だった。八十八ヶ所の結願である大窪寺に着いたら、皆、白衣がびっしょりぬれていたが、かなり達成感を味わった。大師堂で参拝しながら年年歳歳八十八ヶ所に挑むお遍路さんを思い、とても感謝した。

大窪寺   ぺたんと座る 夏遍路

(2009年5月16日)